工学技術であるマイクロエンジニアリング技術を細胞培養に応用することで、体の外で生体内の
臓器の機能を再現する試みが近年検討されている。これは、生体内の細胞周囲の環境を再構築する
ことで、臓器としての細胞機能の再現を目指す技術であり、マイクロ流体デバイスが有効なツール
となっている。このような体外での評価システムは、ヒトの細胞を用いることができるため、ヒト
の応答を予測可能であり、各種臓器の機能を模倣したチップを組み合わせることで、ヒト体内の挙
動のモデル化が可能となる。これにより、例えば薬剤を投与した際の体内での効果や毒性の予測と
いった応用が期待でき、動物実験に替わる新たな評価手法としての期待が高まっている。
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[講師略歴]
鳥澤勇介(とりさわゆうすけ):
東北大学工学部生物化学工学科卒業、東北大学環境科学研究科
博士課程修了。2006年よりミシガン大学生体医工学科、2009年よりハーバード大学Wyss研究所に
て研究を行い、2015年より京都大学白眉センター特定准教授。主な研究分野は生体医工学、再生
医学、バイオMEMS。工学技術を医学・生物学に応用することで新規なデバイスの開発に取り組ん
でおり、特に細胞培養のためのマイクロデバイスの開発に従事している。現在は、創薬での利用
を目的として、臓器の機能を再現可能なマイクロデバイスの開発に取り組んでいる。
[問合先]
京都大学附属図書館 利用支援掛
TEL: 075-753-2636
e-mail: ref660 [at] mail2.adm.kyoto-u.ac.jp