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平成25年度:授業で寄せられた質問と先生からの回答

質問 回答

【第4回】
分類の一般概念と分類理論
10月28日

Q. 分類方法等の決定はどこでどのように行われているのですか?

A. 黒橋先生の講義でもありましたとおり、分類というのは、各学問分野における事物の認識と深く関わっていますので、分野ごと、対象ごとに、分類の成立および改訂の過程は異なります。
 図書館の分類に関しては、教育哲学者で、アメリカにおける現代的な図書館学の祖ともいえるジョン・メルヴィル・デューイが1870 年代に考案したデューイ十進分類法 (DDC) の十進分類体系が、世界的にみて広範な影響を持っています。日本の多くの図書館で使用されている日本十進分類法(NDC)も、もともとは、森清という個人が、DDCを参考に考案しました。ただし、現在ではDDCの場合は国際委員会によって改訂されていますし、NDCは、日本図書館協会分類委員会が改訂しています。
 どの分野でも同じですが、新たな概念や発見を分類体系におさめるために、もともと考案された分類のシステムを基に改訂作業が繰り返され、分類は進化していきます。その過程で、考案者の手をはなれ、改訂母体も時代とともに変更していくことが多いといえるでしょう。ぜひ、ご自分の専門分野における分類の歴史を調べてみてください。面白いことが分かると思いますよ。

(北村由美)


作成日:2013.11.25 更新日:2013.11.25 附属図書館参考調査担当