自然界を見渡すと、ばねを利用している生き物は数多く存在します。とりわけ
外骨格を持つ節足動物の中で、ばねを使って高速な運動を実現し、自らの生存
に役立てている者たちがいます。なかでも、シャコのパンチの加速度は銃弾に
も匹敵すると言われています。では、シャコは無鉄砲にシャコパンチを使ってい
るのでしょうか?最近の研究成果をもとに、シャコパンチのハイスピード映像を織
り交ぜながら紹介します。
ちらしはこちら(↓)
[講師略歴]
加賀谷勝史(かがやかつし):1979年、東京生まれ。幼少期を
タイ・バンコクで過ごし、帰国後、小中高と日本各地を転々
として、北海道大学への入学を機に札幌で12年あまりを過ごす。
卒論研究、修士、博士と、高畑雅一教授の指導のもと、ザリガニ
の歩行中の脳内ニューロン活動を記録し、ニューロン形態を染色
可視化することに没頭した。さらに、脳と行動のメカニズムを
より深く理解するためには、身体の機械機構と脳とのダイナ
ミックな連携・統合機構を理解する必要があると考え、身体の
ばねやラッチ機構をフルに利用して筋収縮スピードをはるかに
超える超高速運動を実現している口脚類(シャコ)に注目した。
シャコパンチの身体機構と進化の専門家であるSheila Patek
博士(Duke大学)のラボに所属し、ポスドクとして3年弱を
過ごした。2015年春に京都大学の白眉プロジェクトで採用され、
以降、和歌山県の白浜町にある瀬戸臨海実験所にてシャコパンチを研究中。
[問合先]
京都大学附属図書館 利用支援掛
TEL: 075-753-2636
e-mail: ref660 [at] mail2.adm.kyoto-u.ac.jp