粗悪学術誌に関する注意喚起

オープンアクセスジャーナルの中には、論文投稿料(APC)による収益を目的とし、査読を適正に行わない、学術的に粗悪なジャーナルが存在します。これを「粗悪学術誌」「ハゲタカジャーナル」などと呼び、大きな問題となっています。
このようなジャーナルに論文を投稿すると、研究成果および投稿者に対する信頼性を損なう結果になり、後々までご自身のキャリアに悪影響を及ぼします。投稿先の選定は慎重に行うようにしてください。

粗悪学術誌かどうかを見分けるポイント

他の研究者に評判を聞く

同じ分野や近い分野の研究者に、そのジャーナルと関わることは研究キャリアに有益となるか、評判を聞いてみましょう。SNSなどで、ジャーナルの質に関する意見は出されていませんか?

 

ジャーナルの公式サイトを見る

案内メールのリンクからではなく、公式サイトを検索して確認しましょう。査読期間は不自然に短くありませんか?ロゴの解像度が粗い、レイアウトが崩れているなど稚拙な点はありませんか?
ジャーナル単位でトータルの査読期間などを調べられる”SciRev”(https://scirev.org)というサイトもあります。全体的な傾向の把握に活用してください。

参考:査読にかかる平均的な時間

トータル査読期間最初の応答までの期間
全分野17週13週
自然科学14週11週
人文科学22週16週

Huisman, J., Smits, J. Duration and quality of the peer review process: the author's perspective. Scientometrics113, 633–650 (2017). https://doi.org/10.1007/s11192-017-2310-5 より、表1、2を加工

 

過去の掲載論文を読む

過去にそのジャーナルに掲載された論文を実際に読んでみましょう。公式サイトに記載された、そのジャーナルの対象範囲に合致していますか?自分の研究を掲載するに足るクオリティの論文が掲載されていますか?

 

エディターのプロフィールを調べる

公式サイトに記載されたエディターは自分が知っている、または投稿したい分野の研究者ですか?そのエディター自身の公式サイト(所属大学など)では、そのジャーナルのエディターであると明言されていますか?

粗悪学術誌についての問い合せ・情報提供

論文の投稿先として、少しでも疑念を感じることがあれば、
そのジャーナルは投稿先としてふさわしくありません。
より適切な投稿先を選んでください。
判断に迷う場合は、以下のフォームから図書館機構までご相談ください。
また図書館機構では、粗悪学術誌に関する情報収集を行っています。
粗悪学術誌かも、と思った事例がありましたら、同じフォームからお知らせください。
(ご相談、情報収集ともに、京都大学に所属する方が対象です。)
https://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/form/1380548