第4節　京都図書館学校

　京都図書館学校は，昭和22年（1947） 京都大学創立50周年記念事業の一つとして，学校と社会教育の併立，すなわち働きつつ学び，学びつつ働くという理想の下に，京都大学の指導により，実務に従事する者の教育，ならびに再教育機関として教養の向上に資する施設を設けるという趣旨のもとに，有志の寄附により設立された財団法人京都学芸協会が，京都経理学校と共に経営した各種学校であった。京都学芸協会の設立当時の理事は，京大総長　鳥養利三郎，京大文学部長　本田義英，宝酒造会長　大宮庫吉，京大事務局長　本田弘人，京大庶務課長　内藤敏夫，京大会計課長 　横田実，京大工学部事務長　武間源一郎，京大会計課監査掛長　寺井信であった。
　京都図書館学校は昭和23年3月22日京都府知事に申請し，3月9日認可された。本校は各種図書館の要員を養成することを目的として，京大附属図書館長原随園が校長となり，講師36名（常任23名，臨時12名）事務員4名で，24年3月まで1カ年間（授業日数158日，授業時数665時間）工学部（前期）と本館陳列室（後期）を教室として開設され，講義は午後5時より9時まで行われた。在籍者42名，卒業者37名（男18名，女19名）を数えたが，昭和24年度以降は生徒募集を行わず休校し，昭和26年に廃校の認可を受けて，京都府総務部文教課に引継がれた。なお本校卒業者に対して，文部省より図書館法施行規則により，図書館実務，図書目録法，図書分類法，図書館史の4単位が認められた。

学校図書館講習会
　本校が昭和23年8月23日から28日まで，本館ならびに京都府・京都市の後援を得て，本館陳列室において主催した学校図書館講習会は，本校の特別講義として，毎日午前8時から午後4時まで，新制高等学校，中学校，小学校にそれぞれ設置されるべき学校図書館の運営を担当する職員に対し，図書館学教育をなすことを目的として開催された。受講者85名，うち出席良好者72名に対し修了証書を授与した。また本講習会期中，本館所蔵各種図書の展観（5日間毎日陳列替），ＧＨＱ図書館，府立図書館，京都大学法学部，文学部書庫の見学，討論会（2回）等を行った。

　　合計　実授業時数　665時間　（開校日数158日）