第6章 図書館研究団体および協議会との関係


第3節 国立七大学図書館協議会

 この協議会は始め帝国大学附属図書館協議会という名称で発足した。大正13年5月27日東京帝国大学附属図書館長(姉崎正治館長)から「帝国大学附属図書館事務に関しては各学部との関係,書目整理の方法,図書の寄贈交換,事務員の定員及待遇等各大学に特殊の沿革と問題も有之と同時に共同の問題利害も有之やに考え一度各大学図書館長及事務員の打合会相開きては如何」との相談が京都帝国大学附属図書館長の新村出博士にあり,大正13年6月5−7日の3日間東京帝国大学附属図書館において第1次協議会が開催されたのに始まる。本館からは新村出館長および山鹿誠之助の両名が参加したが,その協議会において第2次は秋に京都帝国大学附属図書館において開催することを決定した。しかしその10月「現在政府に於ても行政財政の整理立案中に付今次の会合を延期し明春右整理並に予算等の決定を俟ち4,5月の頃開催致しては如何との意見も有之」ということで延期することになった。

 第2次帝国大学附属図書館協議会は,大正14年5月21日より23日に至る3日間,京都帝国大学附属図書館において東京,東北,九州,北海道,京都の5館が参加して開催されたが,その際審議された議題は次の通りである。

 (1)分館制度ノ得失
 (2)図書受入手続ヲ簡捷ニスルコトニ就テ
 (3)図書購入ニ関スル図書館長ノ権限ニ就テ
 (4)帝国大学図書館ヲ間ニ於テ図書交換貸借ノ件
 (5)貴重図書ノ取扱方法ニ関シ各大学附属図書館ノ実際ヲ承リタシ
 (6)夏季休業中学生ニ帝国大学共通ノ図書閲覧票交付ノ件
 (7)教室ニ直接寄贈スル図書ノ取扱法
 (8)図書消毒法
 (9)教室備付ノ図書取扱法
(10)雑誌閲覧室ニ雑誌備付ノ方法
(11)各大学附属図書館ニ収蔵セル図書学及図書館学ニ関スル資料ノ目録ヲ交換スルコト
(12)各大学附属図書館ニ関スル規定,内規其他事務上ノ規則ニシテ成文ノモノヲ編輯印刷シテ交換スルコト
(13)文部省普通学務局主催ノ図書館員養成所ニ短期講習会開催ノ件
(14)貴重図書ノ標準ニ就テ
(15)各帝国大学図書館標準分類表作製ノ件
(16)未完図書受入ノ方法
(17)図書館ニ於ケル統計ニ関スル件

などであった。

 次いで本館が当番館として迎えた協議会は第9次であって,昭和7年10月20日より22日の3日間文学部陳列館会議室において開催された。
 前例により新村館長が議長となったが,これまでの協議会参加館は東京,京都,東北,九州,北海道,台北,京城の各帝国大学附属図書館(台北は第5次,京城は第3次より参加)であったが,今回より大阪帝国大学が参加し,議長の紹介によって高木同館長の挨拶があったのち,議事が進められた。その議題は次の通りである。

 

 (1)和漢書目録編纂規則制定ニ関スル件

   (2)諸外国ヘ図書及定期刊行物ヲ直接注文スル際ハ如何ナル方法ニヨラルルヤ
   (3)外国ニ於ケル学会又ハ学術図書刊行会ノ入会及会費等ノ支弁ノ方法ニツキ承リタシ
   (4)海外図書ノ購入ニ対スル為替相場変動ノ影響ト其対策特ニ予約購入海外雑誌代ノ本年分支払並来年分予約ニ関スル事項ニ就テ
   (5)在外研究員ニシテ前金払ヲ受ケ購入シタル図書ヲ未登記ノ儘該図書ノ貸渡シヲ要求セラレタル場合ノ取扱ヒニ付実例アラバ承リタシ
   (6)各部局図書重複購入ヲ防グ事ニ関シテノ経験意見等承リタシ
   (7)学内ニテ謄写セシメタル書類ノ受入並ニ評価ニ就テ承リタシ
   (8)記念文庫トシテ多数書冊ヲ寄贈セラレタル際行賞方申請上評価算定ノ基礎ニ付如何ニ取扱ハレ居ルヤ承リタシ
   (9)登録図書原簿ヲ以テ図書物品出納簿ニ兼用スルノ件
  (10)ロシア語及ギリシヤ語図書類ノ取扱上特殊方法アラバ承リタシ
  (11)雑誌小冊子類ニシテ重要ナラザルモノノ保管並ニ製本ニ就テ,併テ重要ナラザルモノノ標準ニ就テ御意見ヲ承リタシ
  (12)パンフレット(特ニ学位論文)ノ整理ニ就テ特殊ノ方法アラバ承リタシ
  (13)資料蒐集ノ方法及整理保管ニ関シ承リタシ
  (14)地方資料(特殊)ノ整理法ニ就テノ実際ヲ承リタシ
  (15)叢書,合綴本及論文集等ノ分解カード記入形式ニ関シテ特別方法アリヤ
  (16)本邦ニ於ケル学術雑誌ノ省略名作製ノ件
  (17)本邦古刊本合同目録編纂ノ件
  (18)各館ノ特別集書ノ名称,冊数及其性質ノ概略ヲ承リタシ
  (19)図書館員海外視察ノ件
  (20)図書及図書館ノ利用上特ニ閲覧者ノ訓練ニツキ承リタシ
 

(21)帝大学生ノ図書館相互利用ニ関スル申合ニツキ尚ホ研究スベキ事項ナキヤ

 以上が第9次協議会の議題であるがその内第1の議題については「帝国大学附属図書館目録規則制定委員会編 和漢書目録規則 第1編」のはしがきで次のように述べられている。

  本協議会に於て「和漢書目録規則」の問題が採上げられたのは甚だ古く,それまで日本図書館協会制定の「和漢書目録編纂規則」を専ら金科玉条としていた不満が反映して,昭和3年北大に開かれた第5次協議会に於て,九州帝大から,始めて「統一目録法及ビ標準分類法ノ編制ヲ本協議会ニ於テ着手シテハ如何」という議題が提出され,当時の植松東大司書官,田中敬東北大司書官が委員に選定されて,起草に着手したのに淵源を発している。爾来田中敬氏が専ら,その衝に当り,昭和6年第8次協議会に草案発表の運びになり,翌年長沢正雄(東京)田中敬(東北)田中鉄三(九州)高倉新一郎(北海道) 藤木好三(大阪)関野真吉(京城)田中長三郎(台北)山鹿誠之助(京都)の各委員諸君がこの草案の審査委員となり,協議会の席上(京都)に於て審議の結果若干の修正条項を懸案にしたまま可決確認されたが,修正条項は翌年に持越され,森下彬(東京)谷口寛一郎(京都)田中鉄三(九州)柴田定吉(北海道)阿部浩(京城)武田虎之助(台北)田中敬(大阪)伊木武雄(東北)の委員諸君がこの決定をしたのであったが,委員会の手続きが確立していなかったために,正式に帝大協議会の名称を冠して発表するに至らず, 「和漢書目録規則」としてのみ一部の人々に公表されたに止まった。而るに目録規則の研究が熾烈となった館界の状勢が反映して,この「和漢書目録規則」に対する修正要求が昭和11年の第13次協議会に「昭和7年第9次協議会ニ於テ制定ノ和漢書目録規則改訂委員会設置ノ件」となって現われた。これは,前年,曩に発表された「和漢書目録規則」を,印刷に附するため,その費用の割当てを各帝大図書館に要求したことにも端を発している。この議題は,本協議会に所謂「田中敬氏原案」の「和漢書目録規則」が若干の修正を施された姿で提出されたので,出題が成立しないことになって終り翌年台北に於ける協議会には同一主旨の下に,次の議題が提出され,「和漢書目録規則制定委員会ヲ常置スルノ件」というのが,「図書目録ニ関シ特ニ委員会ヲ常置スルノ件」と変更され,結局
 1.既ニ作成セラレテイル和漢書目録規則ノ再検討
 2.洋書目録規則ノ研究
 3.和漢洋書目録規則ノ統一ヲ計ルコト
 という決議が行われ,常置委員の任命を見ることになった。翌年の東京に於ける協議会までには,東大が委員長館として右の決議を実行するための種々の照会を各館に行い,之をまとめたものを委員会の席上で,討議を開始したが,具体的な結末を得ず,翌年の京城に於ける協議会にも同様な状態ではあったが,兎に角東大が委員長館として進行せしむるよう各種の調査依頼などを引受けた。この間に於て規則の精成を先づ決定する要を認め,翌15年には事変のため,正式の協議会は開催不能となり,目録委員会のみが京都に開かれ,その席上に於て規則構成案が先づ可決された。併せて小委員会が組織され,東大(土井重義関敬吾・武田虎之助)京大(谷口寛一郎・天野敬太郎)阪大(田中敬)が,市河(東大)委員長の下に選ばれた。爾後小委員会は活動を続け,昨17年11月に至って,漸く以下掲載の和漢書目録規則の第一編のみ成立した。

 第9次に次いで第17次協議会が昭和15年10月18日より22日の間,京都帝国大学において開催される予定で開催通知が発送され,各館から協議題,承合事項その他の取りまとめをしていたとき,文部省より通牒があって集会に際しては承認を必要とすることになったため,急にその手続が取られた。その結果文部省専門学務局長より本年は中止するようにとの指令があったので,止むをえず次の4項目に従って第17次協議会は中止されることになった。

 

1.本年10月18日乃至20日ノ第17次帝国大学附属図書館協議会ハ中止シ明年度適当の時期ニ更メテ開催ノ手筈ヲ講ズルコト

  2.別記議題中報告ノ部ハ各分担館ニ於テ其経過ヲ文書トシ各件毎ニ別紙ニ御認メノ上各9通御作製10月10日迄ニ当館ニ到着致様御送附被下度当館ヨリ一括纒メ各館ニ 御送付致シ度キコト
  3.承合事項モ前項ニ做ヒ文書ニ御作製10月10日迄ニ当館ニ御送付被下度コレ亦当館ヨリ一括御送附致度キコト
  4.宿題中目録委員会ニ就テハ委員長ト協議ノ上更メテ御通知致スベキコト

 なお第17次協議会において討議が予定されていた協議題は,次に示す8項目であった。

1.重複図書交換ノ件

2.本協議会議事録ニ関スル件
3.発売頒布ヲ禁ゼラレタル図書ニ関シ之ガ名称ノ通知方ヲ本省(或ハ主務省)ニ申請スルノ件
4.図書カード用紙配給方ニツキ本協議会ノ名ニ於テ文部省並商工省ニ斡旋方ヲ要望シテハ如何
5.書籍其他出版物ノ著者,編者又ハ訳者名ニハ必ス其読仮名ヲ附スルコトニ現行出版法ヲ以テ規定スル様本協議会名ヲ以テ内務省ニ建議ノ件
6.本協議会議事録用紙ノ標準規格ニ就キ未ダ制定ナキ場合ハ此際之ヲ制定シテハ如何
7.本年度海外払制限ノ予想外ニ甚シキニ就イテハ左記事項等ノ実現ノ為ニ何等カノ実行手段ヲ取ル要ナキヤ
 イ.海外払制限ノ緩和  ロ.海外払割当額決定時期ノ促進
 ハ.諸種ノ情報ノ蒐集   ニ.新聞雑誌購入中止ニ就テノ連絡統制
8. 図書ノ保存上製本用クロースヲ綿製品又ハ歩合高ノ混紡トナスヨウ其筋ヘ交渉ノ要ナキヤ

 終戦後の学制改革によって「国立(総合)大学附属図書館協議会」と改称された本協議会は,第17次の開催中止後昭和24年10月25日−27日に第23次協議会を京都大学において開催した。そしてその参加館は北海道,東北,九州,東京,名古屋,大阪および京都の7館であった。討議された議題は次の通りである。

 1.本協議会の将来の方針に付て

 2.本協議会今後の対策
 3.国立(総合)大学附属図書館協議会存続の件
 4.国立(総合)大学図書館刷新委員会の今後に付て
 5.基準案の検討
 6.国立(総合)大学刷新委員会大学図書館基準第2次案の処置
 7.文部省立案の新制大学機構による附属図書館の部課制について
 8.新包摂学部と図書室の管理様式について
 9.人事院職階制度案中の司書職に付て
10.本協議会目録委員会の今後の方針に付て
11.東大所蔵米英雑誌の相互貸与期間延長の件
12.協議会日程短縮の件

13.標準分類に対する今後の方針に関する件

 以上13項目が議題であったけれども,その内第1の議題審議によって次回の協議会から「国立七大学附属図書館協議会」と改称することが決定されている。

 昭和31年9月18日および19日の両日,京都大学附属図書館長室において第30次国立七大学附属図書館協議会が開催され,次の議題が審議された。

 1.マイクロ複写の運営について

 2.ルモ・マイクロ・フイルム撮影機運営費の交付ならびに技術員の配置に関し,重ねて文部省へ実現方を要望したい
 3.大学図書館員の海外図書館視察に関し文部省へ要請の件
 4.七大学間に於ける図書相互貸借に関する申合せの改正とマイクロ複写の手続及料金の協定について
 5.大学図書館予算の独立化について
 6.大学図書館職員の養成について
 7.大学図書館職員の増員について
 8.マイクロフイルム複写業務担当の新定員要求について
 9.国立大学図書館職員の待遇改善
10.附属図書館のバツクナンバー補充について
11.全学図書行政の一本化について

 京都大学において開催された本協議会は以上の通りであるが,次に全協議会を通じて京都大学から提出された議題を挙げておこう。

第2次協議会 大正14年5月21日〜23日 於京都大学
  1.各帝国大学附属図書館標準分類表作製ノ件
 

2.未完図書受入ノ方法(上記2議題については次回までの宿題ということになった)

  3.図書館ニ於ケル統計ニ関スル件(従来図書の単位称呼は部数・冊数が統一されていないので統一しようとする提案であったが,時機を見て改めることに決定)
  4.貴重図書ノ標準ニ就テ(貴重図書取扱に関する実際の状況報告があり,その際大要が話されたのであらためて審議せず,標準の決定はさらに攻究の上具体案を作成することになった。

第3次協議会 大正15年10月5日〜7日 於東北大学
 

1.紛失図書ヲ弁償セシムル場合其価格ニ関スル件(原価によるのがよいということになった)

  2.図書受入現在数ニ関スル件(本年度より物品出納検査法が改正され,年度経過後2カ月以内に図書原簿の検査が実施されることになった。短期間なので無理だということであったが結論は出なかった)
  3.図書ニ関スル証明書交付ノ件(特許出願または特許権侵害訴訟等の証明について であるが,先づ東大で規定を作り他もそれにならうことになった)
 

4.閲覧室入場人員ノ件(単に閲覧室のみを利用する者の人員把握については各館の 事情を異にするということで結論に至らなかった)


第4次協議会 昭和2年10月19日〜21日 於九州大学
 

1.各教室用図書整理ヲ簡捷ニスルノ件(各館の事情説明に終った)

  2.新着雑誌閲覧ニ関スル件(新着雑誌の紛失防止対策について提案されたが,各館の現状説明があった)
  3.函架箋(レベル)ニ関スル件(各館使用のものが説明された)
  4.寄贈図書ノ礼状ニ関スル件(礼状の悪用防止についての提案であったが各館の事情説明に終っている)
  5.各大学附属図書館ノ経費ニツキ各科目別ニ承リ度シ(当番館において一覧表が作成され配布された)

第5次協議会 昭和3年7月4日〜6日 於北海道大学
 

1.各教室及研究所備付図書ノ取扱並管理ニ関スル件(各館の現状報告に止まった)

  2.実務上ノ特殊題目ヲ選ビ次期ノ会合マデ宿題トシテ攻究スルノ件(本協議会の議題中第1項の目録法および分類法が宿題として選ばれた)
  3.各帝国大学所蔵ノ稀覯書目録ヲ部分的ニ作製シテ逐次交換スルノ件(各館の調査がすみ次第逐次頒布されることになった)

第6次協議会 昭和4年9月25日〜27日 於台北大学
 

1.教室備付図書整理ノ為メ司書ヲ学部ニ配置セシムルノ案ニ就キ各大学ノ御意見承リタシ(意見が述べられて結果的には賛成された)

 

2.明年以後ニ於ケル本協議会開催地ニ関スル件(協議会の順次が北海道,東北,京城と続くので東京が東北と京城の間に入ることになった)


第7次協議会 昭和5年5月13日〜15日 於東京大学
 

1.図書ノ出納(図書取扱手続)ニ関スル細則ノ件

  2.外国雑誌並新聞代価経理ノ方法ニ就テ(上記2項は事情説明ののち各館の関係資料が京大へ送られることになった)
  3.図書館商議会ニ関スル件(当日新村館長が病気不参加のため各館から種々の意見が出されたに止められた)

第8次協議会 昭和6年10月1日〜3日 於京城大学
 

1.現在作成セラレツツアル統計ノ種類ニツキ承リ度シ

  2.寄贈雑誌及小冊子類・受入並ニ其ノ取捨ニ就テ各館ノ実状承リ度シ(1および2項とも実状の報告があった)

第9次協議会 昭和7年10月20日〜22日 於京都大学
 

 1.和漢書目録編纂規則制定ニ関スル件(第5次協議会において東京帝大の植松司書官および東北帝大の田中司書官に原案の起草を委嘱したが,その草案の脱稿後昭和4年3月に協議会の常置委員に配布された。その後第6次協議会に議題として出されたが決定されるに至らず第7次に持ちこされ,ここで委員の交替があり新委員の下に検討されて本協議会に出されたものである。本協議会では部分的修正または追加を希望条件として本案は全員一致で可決された)


第10次協議会 昭和8年10月4日〜6日 於東北大学
 

1.外国新聞利用ノ状況及ビ現ニ登録保有セラレツツアル新聞名承リタシ

2.学外ヨリノ図書閲覧希望者ニ対シ各大学間ニ於テ其取扱ニツキ協定スルノ要ナキヤ
  3.事務用参考図書ノ貸付及ビ使用ニ関スル規定ヲ如何ニセラルルヤ
  4.新ニ採用セル館員養成ノ具体的方法ニツキ承リタシ(1,3,4項については各館から説明があったのみであるが,2項は意見の交換後各館協定の要ありということになった)

第11次協議会 昭和9年10月18日〜20日 於九州大学
 

1.図書館ニ於ケル警備ニ関シ各館ノ施設承リタシ(火災および盗難に対する警備規 定の提示と実情報告があった)

  2.貸付図書回収ノ件
  3.学内ニ於ケル刊行物ヲ図書トシテ受入方法ニ就テ承リ度シ(2および3項は参考意見が出されて終った)

第12次協議会 昭和10年7月17日〜19日 於北海道大学
 

1.日本標準規格ノ各館ニ於ケル適用程度承リタシ(各館とも統一しておらず漸次改めようとしているとの報告があった)

  2.個人貸付ノ図書ヲ代価ヲ以テ弁償セシメラレタル経験承リタシ(二三の館の経験が話された)
  3.図書ノ相互貸借ニ関スル申合ニ依リ図書ヲ借受シタル場合其ノ送料ハ借受館ニ於テ負担セラレタキコト(提案に全館賛成された)

第13次協議会 昭和11年10月30日〜11月1日 於大阪大学
 

1.外国雑誌ノ購入価格査定方法ニ就テ承リタシ(部会が設けられ,そこで委員会を構成して案を作成,承認された)


第14次協議会 昭和12年10月21日〜23日 於台北大学
 

1.附属図書館ニ於ケル図書ノ購入製本等ニ関シ各館ノ採ラレツツアル方法ニ就テ左記ノ事項承リタシ

    イ.図書ノ種類(例ヘバ和漢書洋書又ハ一般書稀観書雑誌事務用参考書等ノ如キ)ニ従ヒテ購入費ヲ分配セラレ居ル向アラバ其割合
    ロ.製本費ガ定メラレアラバ購入費トノ割合
    ハ.購入図書選択ニハ各種類ニ従ヒテ之ヲ担当スルモノアリヤ若シアラバ其類別及人員
 

2.特ニ学生訓育ヲ目的トシテ考案セラレタル施設アラバ詳細承リタシ

 

(以上の2項目は承合事項として出されたが議題に繰込まれ1項は事情や意見が述べられ,2項は図書館の存在意義をより徹底して学生に知らしめる必要があるけれども現在考慮中というのが大半であった)


第15次協議会 昭和13年11月24日〜26日 於東京大学
 

1.学位論文取扱ニ関シ左記ノ件承リタシ

    イ.図書館ニ保管セラレ居ル向アリヤ
    ロ.若シ有レバ保管ノ形式如何
    ハ.閲覧ニ供セラルル向アレバ其範囲,内規等伺ヒ度
 

2.雑誌取扱ニ関シ左記ノ件承リタシ

    イ.支払ト受入トヲ別々ニ手続セラルル向アリヤ
    ロ.受入ハ一巻完結ノ上ニ譲リ其巻ノ支払ヲ2回以上ニ分割シテ支払ハルル向アリヤ
 

3.前回協議会ニテ決議ノ交換統計ニ関シ更ニ協議シタシ

 

 (1,2項は会場での発言とともに文書による回答があった。3項は前回北海道大学より提出された「図書館事務統計ニ関スル件」に対してさらに図書館統計表の統一を提案したものであるが,特別委員会が持たれてその報告があった)


第16次協議会 昭和14年10月5日〜7日 於京城大学
 

1.帝国大学附属図書館協議会ニ文部省専門学務局ノ参加要請ノ件(慎重に考慮すべきであるとして結論は出されなかった)


第17次協議会 昭和15年10月18日〜20日 於京都大学
 

1.学外ニ於ケル展覧会其他ニ図書貸出ノ範囲,標準,内規等アラバ承リタシリタシ(第17次協議会は中止のため未審議)


第18次協議会 昭和16年10月30日〜11月1日
 

1.今次欧州大戦ニヨリテ輸入中絶トナリタル外国雑誌ノ支払方法ニツキ承リ度シ

  2.時局緊迫ニ伴ヒ貴重図書防護,カード箱重要書類ノ保全ニツキ如何ナル方法ヲ講ゼラレ居ルヤ承リ度シ
  3.他ノ学部教室等ニ所在スル図書ノ閲覧方法ニツキ承リ度シ
   (1−3項まで文書にて回答を得た)

第19次協議会 昭和17年10月26日〜31日 於九州大学
 

1.図書館防護計画ニ基キ実地訓練ヲ施行セラレシヤ実施セラレシ館ノ訓練状況並ニ御所見承リタシ


第20次協議会 昭和21年6月13日〜15日 於東京大学
第21次協議会 昭和22年10月27日〜29日 於大阪大学
第22次協議会 昭和23年9月15日〜18日 於北海道大学
  1.古書購入に関する認証制度の対応策(古書に対する評価は非常に困難であるとして結論は出なかった)
  2.東京大学附属図書館保管米国科学雑誌の地方巡回実施(特別委員会が持たれて12項目の申合事項が作られた)
  3.新着外国図書に関するインフォーメィションサービス(各館の事情説明に終った)

第23次協議会 昭和24年10月25日〜27日 於京都大学
 

1.国立(総合)大学刷新委員会大学図書館基準第2次案の処置


第24次協議会 昭和25年10月23日〜24日 於名古屋大学
 

1.大学図書館員の司書及び司書補の資格獲得について(東京および京都の両大学が中心になって資格の獲得に尽力して欲しいということになった)

  2.大学における図書館の地位が附属施設でないことを確認せしめることについて
  3.各大学共図書館長を評議会の一員とすることについて(館長会議で審議されて文部大臣,大学々術局および各大学宛に要望書を出すことに決定した)
 

4.本協議会の将来について


第25次協議会 昭和26年10月2日〜4日 於東北大学
 

1.国立学校設置法,同施行規則,国立大学管理法最終案,大学基準,大学図書館基準案,国立大学図書館改善協議会等に対する本協議会の方針について


第26次協議会 昭和27年10月14日〜16日 於九州大学
 

1.大学における司書専門職員に技術特殊職に準じた「級別資格基準表」を別途に作

  2.明年度外国雑誌予約方法ノ件(実務上の問題なので実務部会で取上げられた)
  2.学術団体,研究所等ヨリ文献ノ調査及ビ編纂ヲ委嘱セラレシ場合ノ処置方ニ付承

第27次協議会 昭和28年9月17日〜19日 於北海道大学
 

1.大学予算の上に於ける附属図書館経費の確立について

  2.旧制総合大学図書館の特殊事情に基く職員の強化について
  3.大学図書館職員制度の確立と関係法規の改正について
  4.大学図書館の職員に対し「一般技術職員」の「級別資格基準法」を適用し得る様要望すること
  5.勤務評定における「職員の集団」に「司書職員」を設けることについて
  6.文部省委任の事務処理に必要な諸経費の要求について

第28次協議会 昭和29年10月21日〜23日 於東京大学
 

1.ここ数年間における当協議会議題中,未だ実現を見ず,而も緊急を要するものを摘出して,強力にその実現を図ること

  2.「国立大学図書館改善要項」4−2の実現を図るため,大学の実情に応じ,図書館職員の一部を教育職員に振替える措置を強く要望すること
  3.大学在学中図書館学を専攻したもの,並びに一定単位を修得したものの採用に対し「教育職員初任給基準表」(人事院細則9−8−2,別表第49)中「,大学等の助手」を適用し得るよう実現を図ること
 

4.文献複写装置の設備に伴い,図書館に技術職員を確保し得る様実現を図ること


第29次協議会 昭和30年9月19日〜20日 於名古屋大学
 

1.文献複写の共通的諸条件の確立について

  2.大学院をもつ大学の「図書館維持費」を別途考慮方要望することについて
  3.大学図書館職員中に司書官制度の実現を図ることについて
  4.大学新卒業生の図書館への採用に際し,一定条件を充足した単位修得者の優遇措置を図ることについて

第30次協議会 昭和31年9月18日〜20日 於京都大学
 

1.全学図書館行政の一本化について


第31次協議会
 昭和32年9月25日〜26日 於大阪大学
 

1.文献複写業務の運営方法の全国的統一について


第32次協議会 昭和33年9月30日〜10月2日 於九州大学
 

1.図書館長が図書館職員(等級別定数上)とみとめる基準の設定について

 

2.物品管理法上図書に分類すべき物品の範囲について


第33次協議会 昭和34年7月9日〜11日 於北海道大学
 

1.大学教育に図書館を積極的に参加させる具体的方法について

  2.司書職の問題について
     製するよう人事院と文部省に要望すること
  2.図書館職員の海外視察について
  3.昭和28年度より大学院発足に伴う(研究)図書費増額要求について