④ うらみのすけ(ウラミノスケ) 著者未詳 慶長11年(1606)5月、禁裏の女房と密通した罪で改易にあった旗本、松平若狭守近次をモデルとする恋物語。二度の契を期待していた恨の介に対し、雪の前は「後生にて」と答え、それがもとで恨の介は憂悶のうちに病死する。また、彼の最期の文を目にした雪の前も、己が罪業の深さを思い知って絶死する。この大惣本は寛永ごろ刊の丹緑彩色本だが、貸本に供されていたゆえであろうか、下冊後半の挿絵部分が失われている。 (4-40ウ2 大惣番号札剥落)