発行担当者の声~ KURENAIで雑誌を公開するメリット

KURENAIでは、学内組織や京都大学に基盤のある学会等が発行した雑誌を公開しています。
発行を担当しておられる先生方に、KURENAIで雑誌を公開するメリットを伺ってみました。(順不同)

  1. KURENAIで雑誌を公開しようと思ったきっかけ
  2. KURENAIで雑誌を公開してよかったこと

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研究者の声~KURENAIに登録するメリット

 

金澤周作先生(文学研究科):『史林』  『フェネストラ』 new!
1. KURENAIに雑誌を公開しようと思ったきっかけ

『史林』は1916年に創刊され、以来、本学文学研究科の歴史学、地理学、考古学に関わる諸専修の教員が中心となって維持してきた、歴史学に関する日本を代表する学術雑誌の一つです。常務理事としてKURENAI登録に関わった者の一人として以下のことを記します。10年ほど前から、紙媒体だけでなくオンラインでも雑誌を入手できる仕組みを検討してきました。ICT時代にあっても雑誌の影響力を保つためです。いくつかの候補がありましたが、KURENAIは、本学で産み出された学術的成果の発信を推進していますし、雑誌のデータ化にあたっても、わたしたちに一切の負担なく進めてくださるということでした。それがKURENAIに『史林』を登録しようとわたしたちが考えたきっかけです。
『フェネストラ』は、本学文学研究科西洋史学専修が2018年に創刊した、オンライン・ジャーナルです。西洋史学の現在の姿を多彩に叙述する論考を掲載し、専門家だけでなく多くの方々に発信しようと考えました。すでに『史林』の経験もありましたので、KURENAIの利点をよく分かった上で、お願いいたしました。

2. KURENAIで雑誌を公開してよかったこと

『フェネストラ』の書き手の中には多くの若い院生が含まれています。新しい世代である彼らにとって、SNSなどで自身の書いたものを発信・拡散する上で、オンライン・ジャーナルは便利ですし、ダウンロード数が見えるので、意外な「影響力」を知るきっかけにもなり、張り合いが出ているように思います。
『史林』については、数年前までの号を自由に読めるようになりましたから、ふだん図書館や大学にアクセスできない方々にとっても、質の良い論文を簡単に入手できるようになりました。これは、『史林』の知名度をこれから挙げていくためにも、たいへん大きな意味があることだと感じています。また、『史林』2020年1月号は、偶然にも「病」に関する論考を集めた特集号でした。刊行まもなくコロナ禍が出来したため、急遽、この最新号だけは特別にオンラインで公開していただきました。ダウンロード数を見ると、かなり多くの方々が新たに関心を抱いてくださったように思われます(購読者には紙媒体が送付されていますので、ダウンロードしないはずです)。期せずして、学術の社会的貢献のようなことができたのも、KURENAIのおかげだと思います。

佐々木健先生(法学研究科):『ローマ法雑誌』 new!
1. KURENAIに雑誌を公開しようと思ったきっかけ

既に「西洋古代史研究」が掲載されているKURENAIの利点を感じていたため、発刊者にもご協力ご承諾頂き、その手法を借りることにした。また、オンライン雑誌として刊行することにより、出版費用が実質的に無償となる点が最大のメリットであった。

2. KURENAIで雑誌を公開してよかったこと

カウンターでダウンロード数が把握できるのも貴重なデータであり参考になった。ダウンロード数は、記事(論文)ごとに集計されるので、冊子体では得られないデータと思われる。

Bjorn-Ole Kamm先生(文学研究科):『RPG学研究』 new!
1. KURENAIに雑誌を公開しようと思ったきっかけ

僕が編集者となった新しいオンラインオンリーOpen Acessの学術誌の論文に比較的簡単にDOIをつけることができる上、KURENAIで本雑誌へ永遠にアクセスできるようになりました。学術誌の背景に2017年に設置された京都大学・ハイデルベルク大学の国際連携共同学位文化越境専攻があり、教育だけではなく、研究の面でもその文化越境研究と京大を結びつけることができると思いました。

2. KURENAIで雑誌を公開してよかったこと

Article Linkerなどの機能でアクセスしやすい上、雑誌のウェブサイトからだけではなく、Googleの検索からも雑誌の論文が見つけやすくなりましたので、意外と本雑誌の認知度が上がったと思います。また、ダウンロード数を簡単に表示できますので、自分の研究のリーチも確認できます。

小島基洋先生(人間・環境学研究科):『MURAKAMI REVIEW』 new!
1. KURENAIに雑誌を公開しようと思ったきっかけ

3年前に村上春樹の研究誌であるMURAKAMI REVIEWを発刊するにあたり、紙媒体を作らず、WEB雑誌であることにこだわりました。
その際、WEB雑誌の弱点である「存在の軽さ」を補うためにも、未来永劫、そこにとどまり続けることが可能なKURENAIというプラットフォームは実に有用でした。

2. KURENAIで雑誌を公開してよかったこと

何よりも全世界からのアクセスが可能であるということです。本誌に掲載された論文への言及を既に何度か目にしました。

教員(人文学) new!
1. KURENAIに雑誌を公開しようと思ったきっかけ

所属組織の教育・研究の成果を学内外に広く発信することを通して、学術交流を促進し、教育・研究の更なる質向上を図りたいと思ったことがきっかけです。

2. KURENAIで雑誌を公開してよかったこと

学内外に向けた、教育研究の実践報告や成果発表の発信が効果的且つ容易にできるようになり、大変良かったと思っております。

教員(人文科学) new!
1. KURENAIに雑誌を公開しようと思ったきっかけ

研究科内の近い分野の研究誌がリポジトリにあげていたので。

2. KURENAIで雑誌を公開してよかったこと

自分自身では特になにもありませんが、学生などにとっては広く読まれるようになってよかったのではと思います。