平成14年度京都大学附属図書館公開展示会
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I: 出版文化のコスモロジー—中国から朝鮮・日本へ—
2: 類書の図像学
〔I-2-1〕

Ⅰ-2 類書の図像学

 このセクションでは、南宋最末期の石碑の拓本・モンゴル時代に登場した類書・明代後期に出版された経書の図解本、この三つをテーマに展示する。モンゴル時代に入り、イラストによってビジュアルに理解しようとする精神は、これら種々のメディアを通じて本格的に展開され、以後の東アジア世界全体における学術・出版に対して、大きな影響を及ぼし続けた。以下、それぞれの作品に込められた、多様な図像表現をお楽しみ頂きたい。

 


天文図 (図録p.9)

〔I-2-1〕 天文図・地理図・帝王紹運図 人文科学研究所
 南宋・黄裳撰 南宋・淳祐7年(1247)刻
 南宋最末期に、平江府(現在の蘇州)に揃って建てられた石碑の拓本。当時の中華世界観が集約的に表現されている。これら 「天」 「地」 「人」 の三幅対に込められた、時間と空間を一望の下に見渡そうとする意識は、『混一疆理歴代国都之図』〔I-1-1〕に受け継がれた。


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