平成12年度公開展示会図録

〔三○〕伊庭千句


1冊 写本 聴雪ほか作 [室町時代]写 横帳変形 水浅葱地富士山雲木立表紙 本文料紙:斐混り楮紙 見返料紙:金箔置七宝文つや出し紙 20.4×16.0cm 無辺界 半面10行 内題なし,標題は書題簽による 奥書:「此千句伊庭中務丞源貞和發起/三人促席五日終功雖無詞花/言葉之可採偏感願主之懇志/所忘後見之嘲哢也/大永四年暮春下旬記之/桑門尭空」 箱書:「外題/橋本殿筆」 箱貼紙:「橋本殿公夏卿外題」,「連歌師宗長筆/千句/一冊」「橋本公夏卿筆外題」, 「三條西尭空筆 奥書」
附図 4-24||イ||1別貴 <1878345>

"Iba Senku"
Renga-style poems by Chosetsu・・・et al.
Hand-written. Muromachi period.

 大永四年(一五二四)三月一七日から二一日にかけて、宗碩の庵室月村斎で興行された、実隆、宗長、宗碩の三吟。
 「伊庭」は、この千句の願主である近江国佐々木六角氏の被官種村貞和の姓であり本貫地の地名でもある。
 第一百韻発句「山さむみ都やたちど朝霞 聴雪(実隆)」
 第二百韻発句「鶯やをのがぬふ花笠やどり 宗長」
 第三百韻発句「けさや春昨日はちかき嶺の雪 宗碩」
 各百韻に一句ずつ貞和が詠んでいる。『実隆公記』には、貞和が、宗長・宗碩を介して実隆の千句連座を懇望し、千句終功の謝礼として実隆のもとへ莫大な金品を持参するまでの経緯が記されている。古典文庫471に翻刻がある。
 なお、蓋裏の古筆の極め書に「外題 橋本公夏筆、本文 宗長筆、奥書 三条西実隆筆」とあるが、本文・奥書とも同筆で宗長、実隆の筆跡ではない。外題も橋本公夏の筆跡とは異なるようである。(H)

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