平成12年度公開展示会図録

〔三五〕独吟注之千句(称名院追善千句)


1冊 写本 紹巴作 慶長16(1611)年写 横帳 渋引黒色表紙 本文料紙:楮紙 17.1×22.8cm 無辺界 半面13行 首題なし,標題は扉(元表紙)による 後補書題簽の書名:称名院追善千句注 奥書:「為稱名院殿<前右大臣入道/公條公三条西殿>御追善/綴之畢/紹巴御自筆之本奥書かくのことし」,「此千句は・・・(略)/紹巴<在/判>」, 「天正三乙亥年・・・/天正十五年・・・素丹」, 「慶長十六年六月上旬書写畢/常信カ」 蔵書印:「をば/ま」(朱文, 印主: 小汀利得)
附図 4-24||シ||2貴 <1886212>

"Shomyoin Tsuizen Senku"
Renga-style poems by Joha as a memorial to Shomyoin.
Hand-written.
Azuchi-Momoyama period, dated 1611.

 〔三四〕参照。本書は、自注本成立前の天正三年(一五七五)に行われた、紹巴による千句の講釈を、門人素丹が筆録した、第一種注である。従来第一種注本は、金子氏により、書陵部蔵の第三種注に、朱筆書き入れとしてのみ伝存する孤本とされてきた。しかし、本書は、素丹による序文と跋文を備え、紹巴自注に続けて「素丹聞書」「丹聞」「丹」として素丹の聞書注を付す、完全なる第一種注本である。
 序文には、この千句には「禁の詞」はない、上手であれば「禁の詞」を使いこなすこともできるが下手はその真似をしてはいけない、という紹巴の他の連歌論書にも見られる考え方が示されており、この千句に対する紹巴の姿勢が窺われる。
 素丹の聞書注は、自注本に説明のない句に対しても注を付し、内容も非常に懇切なもので、本千句の理解に欠かせない資料であると言えよう。(H)




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