革装丁本のレッドロットが起きている資料に対して、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)溶液を使って剥離止めをし、革に柔軟性を与えるため適度に脂分を補い、最後に劣化要因の侵入を防ぐ仕上げ剤を塗布するという、3つの工程を研修しました。また、中性のグラシン紙で作る保護ジャケットをかけて、粉状の汚れが付着するのを防ぐ方法も紹介し、それぞれの図書館で必要な対策が施せるよう、レクチャーと実習を通して学んでいただきました。講義資料では、革についての基礎知識や対策時に用いる資材の紹介などもしています。
[追記]研修で使用した保革油(Marney’s Leather Dressing)とアクリルポリマー(SC6000)については、2017年現在、油が酸化することによる資料への影響が懸念されることから、使用が中止された事例があります。(参考)西洋古典資料の保存. 床井啓太郎. 大学図書館研究. 106, 2017.5, p. 36-43(オンライン),入手先https://doi.org/10.20722/jcul.1496 (参照2018-1-18)
- 日時:平成21年12月8日(火)13:30-15:30
- 実施要項・アンケート結果(京都大学図書系職員研修ページ)
- 講義資料:「革装丁本のレッドロット対策について」【学内限定】
- 実習資料:「保護ジャケットの作成」【学内限定】
- Q&A(配布資料);平成21年度研修Q&A【学内限定】
- 研修風景
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- 部会リハーサル風景