2019年度成果

概要

2019年も京都大学重点戦略アクションプランオープンアクセス推進事業を進めた。 今年度は特にオープン・サイテーションの調査・普及・実装に取り組んだ。 5月にはオープン・サイテーションで先導的な役割を果たしているI4OC(Initiative for Open Citations)の関係者を招聘し、2019年度京都大学図書館機構講演会「オープン・サイテーションと機関リポジトリの展開」を開催した。 図書館機構講演会では、オープン・サイテーションの概要、日本の現状について報告するとともに、機関リポジトリでの実装等、今後の展開についてディスカッションを行った。 年度末には、東南アジア学会学会誌「東南アジア―歴史と文化―」のオープン・サイテーションを試行した。 2020年には京都大学オープンアクセス方針を採択してから5年経過することから、京都大学、日本、世界におけるオープンアクセス状況の調査を行った。 また新電子ジャーナル・データベース認証システムの開発を行い、2020年1月に完全移行した。 昨年に引き続き、全学共通科目「大学図書館の活用と情報探索」と大学院共通科目「学術研究のための情報リテラシー基礎」を開講し、全学共通科目「情報基礎演習」に協力した。 さらに、学術情報リテラシーの能力を体系化した「学術情報リテラシー教育に係るルーブリック」を作成した。

成果

(参考)2019年度活動計画

オープンアクセス推進

  • オープン・サイテーションについて調査・普及を行うとともに、実装に向けて取り組みを開始した。
    • 西岡千文, 亀田尭宙, 佐藤翔. (2019). 日本の学術出版物における引用データのオープン化の現状分析. 情報処理学会研究報告: 人文科学とコンピュータ(CH), 2019(5), 1-8. http://id.nii.ac.jp/1001/00195471/
    • 2019年度京都大学図書館機構講演会「オープン・サイテーションと機関リポジトリの展開」
    • Nishioka, C., & Färber, M. (2019). Evaluating the Availability of Open Citation Data. BIRNDL 2019 : Bibliometric-enhanced Information Retrieval and Natural Language Processing for Digital Libraries, (2414), 123-129. http://ceur-ws.org/Vol-2414/paper13.pdf
    • 西岡千文, 北村由美. (2019). オープン・サイテーションと機関リポジトリの展開<報告>. カレンとアウェアネス-E, (373). https://current.ndl.go.jp/e2160
    • 西岡千文. (2019). オープン・サイテーションとは?-欧米で進む引用データのオープン化、日本における現状と機関リポジトリへの影響-. 第21回図書館総合展ポスターセッション. http://hdl.handle.net/2433/244879
      出展者:京都大学図書館機構オープンアクセス推進事業プロジェクトチーム
      共同出展者 : 京都大学東南アジア地域研究研究所・東南アジア研究の国際共同研究「東南アジア地域研究資料のオープン・サイエンス化に向けたとりくみ」
    • 西岡千文. (2019). 日本の学術出版物におけるオープン・サイテーションの分析で作成・使用したデータセット. https://doi.org/10.14989/244868
    • 東南アジア学会学会誌「東南アジア―歴史と文化―」のオープン・サイテーション化(参考文献の組織化・公開)を通じて、オープン・サイテーションに要するコストや課題の把握を試みている。
  • デジタル教材配信システムBookRollに推薦機能を実装し、閲覧中の教材と関連がある図書館資料(機関リポジトリKURENAIの収録論文、図書)を提示する推薦システムの研究開発を実施した。
    • 2019年度総長裁量経費「自学自習の促進に向けたエビデンスに基づくデジタル教材推薦システムの研究開発」(学術情報メディアセンター、附属図書館、情報学研究科、国際高等教育院)
  • オープンアクセス方針の評価に向けて、京都大学におけるオープンアクセス状況の調査を行った。
  • 京都大学貴重資料デジタルアーカイブの現在までの取り組みについて紹介した。
    • 西岡千文. (2019). 京都大学図書館機構におけるデジタルアーカイブに関する活動紹介 ー京都大学貴重資料デジタルアーカイブと富士川文庫デジタル連携プロジェクトー. 図書館雑誌, 113(7), 436-437. http://hdl.handle.net/2433/243865
  • 学術研究支援室における図書館との連携を促進した。
    • 天野絵里子. (2019). 京大の資源をもっとOpenに!. 図書館総合展2019フォーラム in 大阪. 図書館総合展運営委員会.
    • 天野絵里子. (2019). オープンサイエンスに向けた図書館の取り組み. 第420回生存圏シンポジウム生存圏データベース全国共同利用研究成果報告会「モノのデータベースから電子データベースまで:さまざまな学術データの新しい共同利用に向けて」.

研究データ管理

  • 2019年7月から9月にMLA勉強会を実施した。勉強会は総合博物館,大学文書館の教員ならびに附属図書館の教職員で構成され,研究データを含めた資料管理手法に関する事例報告や意見交換を実施することで、 京都大学研究データ管理・公開ポリシーの素案について検討を行った。
  • その他
    • 天野絵里子. (2019). 学内連携で進める研究データ管理. 令和元年度第1回名古屋大学情報連携統括本部公開講演会・研究会.

情報システム

  • 教育研究活動データベースの今後について検討するにあたり、機関リポジトリ等図書館システムとの連携について検討を行った。
  • 新しい電子ジャーナル・データベース認証システム(プラグインシステム)の開発を行い、2020年1月28日に同システムに完全移行した。
  • その他

国際化

  • 学習サポートデスクによる留学生支援、学修支援事業を実施した。

学術情報リテラシー教育