2017年度成果

概要

前年に引き続き、京都大学重点戦略アクションプランオープンアクセス推進事業を進めている。 2017年10月にはIIIF(International Image Interoperability Framework)に準拠した京都大学貴重資料デジタルアーカイブを試験公開、12月には正式公開を行った。 試験公開、正式公開に併せて、シンポジウム等で情報発信を行うとともに、IIIFを使用した他機関との連携について情報収集を行うとともに検討を行った。 京都大学の学術情報の発見可能性を高めるために、京都大学学術情報リポジトリ(KURENAI)と京都大学研究活動データベース、京都大学研究資源アーカイブとの連携を実現した。 また、KURENAIに収録されているコンテンツを活用して、デジタル教材配信システムにおける学術論文推薦システムの開発・試行を行った。 昨年に引き続き、全学共通科目「大学図書館の活用と情報探索」を開講し、全学共通科目「情報基礎演習」に協力した。

成果

(参考)2017年度活動計画

1A)オープンアクセス推進

  • デジタル教材配信システムにおける学術論文推薦システムの開発・試行を行った。学術論文としては、KURENAIに収録されている論文を使用している。
    • 西岡千文. (2018). 学習ログを利用した学術論文推薦システムに向けて. ラーニングアナリティクスに関するシンポジウム.
  • 国際的な画像データ流通促進の枠組みであるIIIF(International Image Interoperability Framework)に準拠した京都大学貴重資料デジタルアーカイブの試験公開、正式公開に併せて、学会・イベント等でその取り組みについて発表した。
    • 西岡千文. (2018). IIIF準拠京都大学貴重資料デジタルアーカイブでの取り組み. 漢字文献情報処理研究会第20回大会.
    • 西岡千文. (2018). 京都大学貴重資料デジタルアーカイブ:現在までの取り組み(特集 デジタルデータの利活用と長期保存:大学図書館および人文・社会系研究者の役割). 漢字文献情報処理研究, 17, 26-30. http://hdl.handle.net/2433/254137
    • 西岡千文. (2017). 京都大学貴重資料デジタルアーカイブの紹介と今後の展望. 平成29年度京都大学図書館機構講演会. http://hdl.handle.net/2433/227716
    • 西岡千文. (2017). 京都大学貴重資料デジタルアーカイブ. IIIF Japan シンポジウム 〜デジタルアーカイブにおける画像公開の新潮流〜.
    • Nishioka, C., Omura, A., Hojo F., Tomioka, T., & Akazawa, H. (2017). Introduction to Kyoto University Rare Materials Digital Archive. Proceedings of the 14th International Conference on Digital Preservation. http://hdl.handle.net/2433/236583
    • 引原隆士. (2017). 京都大学貴重資料デジタルアーカイブ -画像データのオープンアクセスと流通促進-. KU-ORCASキックオフセミナー、関西大学.
    • 西岡千文. (2017). 京都大学貴重資料デジタルアーカイブの課題と今後の展望. 第4回CODHセミナー デジタルアーカイブにおける画像公開の新しいトレンド ~IIIFが拓く画像アクセスの標準化と高度化~. http://doi.org/10.20676/00000318
    • 西岡千文. (2017). IIIFでの画像データのリンク生成の取り組み. 第4回CODHセミナー デジタルアーカイブにおける画像公開の新しいトレンド ~IIIFが拓く画像アクセスの標準化と高度化~. http://doi.org/10.20676/00000317
  • 京都大学附属図書館研究開発室主催シンポジウム「アジアにおけるデジタル文化財の活用基盤構築へ向けて」を実施し、アジアにおける貴重画像デジタルアーカイブの国際公開に向けた課題の検討と今後の展望を共有した。
  • 学術研究支援室と図書館機構の連携を促進した。
  • その他
    • 引原隆士. (2017). オープンアクセス方針とオープンサイエンスの時代. シンポジウム「オープンサイエンス時代の大学図書館の役割 ~研究データ、デジタルコレクション管理のこれから~」、大学図書館問題研究会第48回全国大会(京都). https://www.daitoken.com/research/annual_conference/2017/symposium.html
    • 引原隆士. (2017). arXiv.orgの次世代システムの公開と戦略. 第2回 SPARC Japan セミナー2017(オープンアクセス・サミット2017)「プレプリントとオープンアクセス」https://www.nii.ac.jp/sparc/event/2017/20171030.html

1B)コンテンツ活用

  • 人文研高麗プロジェクトを推進した。成果物として、目録を平成31年3月に刊行予定である。また、資料のデジタル化も実施しており、1,100点程度の資料を京都大学貴重資料デジタルアーカイブで公開予定である。
  • 富士川文庫のデジタル化事業を実施している。

1C)情報システム

  • 京都大学研究活動データベースに関して、京都大学学術情報リポジトリ(KURENAI)との連携に加え、ORCIDやKulineと連携できるように京都大学研究活動データベースを改修を進めている。
  • 電子ジャーナルの部局ごとの利用状況を把握することを目的として、暗号化通信(HTTPS)での電子ジャーナルアクセス時のアクセス統計方法の検討を行った。
  • 京都大学学術情報リポジトリ(KURENAI)と京都大学研究資源アーカイブの連携について検討を行った。

国際化

  • 学習サポートデスクによる留学生支援、学修支援事業を実施した。

学術情報リテラシー教育

その他

  • 研究開発室に協力員制度を設置することを決定した。 設置の背景として、 ①研究開発室の活動に協力する図書系職員の組織的な位置付けがない、 ②図書系職員の異動により、研究開発室と職員が協力して行う活動の継続性が保証されない、 ③図書系職員個々人の調査研究能力の向上(人材育成)に関して、計画性・継続性がない、 ということが挙げられる。 協力員制度を設けることで。所属部署によらずに協力員として活動を継続できるようにし、一貫したテーマ(活動領域)の研究開発の過程で、計画的・継続的に専門性の能力向上を図る。