法学部図書室では以下の特殊文庫を設置しています。
特殊文庫の図書は貴重書に指定されています。閲覧には事前に所定の手続が必要です。詳細は職員にお尋ねください。
Hatschek 文庫(ハチェック文庫)
ドイツの国法学・行政法学者Julius Hatschek(1872-1926)の旧蔵書。
ハチェックはワイマール憲法下で、国法学および行政法学の分野で活躍し、さらにドイツとイギリスの比較法の専門家としてイギリス公法の研究においても大きな業績を残しました。その旧蔵書であるため、大部分は公法学に関する図書ですが、哲学・史学に関する図書も多く含まれています。
Thaner 文庫(ターナー文庫)
ドイツの民法学者 Friedeich Thaner の旧蔵書。
ターナーが教会法に造詣が深かった関係で特に教会法関係の書籍が多く、また教会法の性格上、16世紀の出版物が大部分を占めています。ドイツ民法典成立以前は教会法がドイツの家族法の役割を果たしていたため、ドイツ法史研究上、学術的価値が極めて高い資料が多数含まれています。
Tuhr 文庫(トゥール文庫)
ドイツの民法学者Andreas von Tuhr (1864-1925)の旧蔵書。
ドイツロマニステンの立場から研究を重ね、その精細・周密な体系はドイツ普通法の伝統に最後の光輝をそえました。19世紀から20世紀に出版された歴史法学以降の私法関係図書を多く所蔵しています。
小早川文庫
京都帝国大学教授で法制史学者の小早川欣吾(こばやかわ きんご・1900-1944)の旧蔵書。
1939年に京都帝国大学(当時)を卒業、大学院に進学し、副手、助手、法学部助教授を歴任後、1944年5月に人文科学研究所教授に就任しましたが、同年6月にこの世を去りました。
近世民事訴訟制度や明治法制史などの諸領域において大きな業績を残しましたが、この文庫の内容も日本法制史に関する基礎的な文献のほか、特に江戸時代の古文書・古記録や明治時代の文献が多く含まれています。