法令をさがす

目次

法令とは

法令とは、狭義では国会の議決を経て制定される「法律」と国会の議決を経ずに行政官庁が制定する「命令」を指しますが、これらに行政庁の訓令、最高裁判所の規則、地方公共団体の条例・規則も含め、広義に「法令」と呼ぶことも多くなっています。

法令は何に掲載されるか

法令は「公布」と「施行」によって効力を持ちます。成立した法令は『官報』に掲載されることで公布され、掲載日が公布日となります。施行日は法令の附則で定められますが、定めがない場合は公布から20日経過後に施行されます。法令の改正や廃止についても『官報』に掲載されます。

法令をさがす際のポイント

国が定める法令は制定時の条文が『官報』に掲載されますが、訓令の一部と通達・通知は掲載されません。また、『官報』に掲載される一部改正はどの箇所をどのように改正したのかのみを記した「改め文」の形のため、法令の全文を収録した資料との併読が必要になります。『官報』に掲載されないものについては網羅的に調べられるデータベースは存在しないため、調べたい法令の種類によって調査方法を工夫する必要があります。

また法令は日々、公布、施行、改正、廃止されています。判例を解釈する際には、事件時点での法令を参照する必要があるため、法令の改廃の履歴(法令沿革)を把握することが大切です。

さがし方の一例

  • 法律-規則の場合
    • 現行(最新)
      • 日本法令検索で検索、総務省e-Gov法令検索へのリンクを参照する。
      • 『六法全書』や主題別法令集を参照する。刊行後の改正の有無は『官報』で確認する。
      • D1-Law.comWestlaw Japan「法令」等のデータベースで検索する。【学内限定】
    • 制定時
      • 日本法令検索で検索し、衆議院制定法律へのリンクを参照する。
      • 公布日の『官報』、『官報』創刊以前の場合は『法令全書』を見る。
    • 過去の時点
      • 日本法令検索で該当日の直前・直後の改正日を確認し、期間内に刊行された『六法全書』、主題別法令集を参照する。必要に応じて『官報』の一部改正法を確認し併読する。
      • D1-Law.comWestlaw Japan「法令」等のデータベースで時点を指定して検索する。収録範囲によっては検索できないこともある。【学内限定】
  • 訓令(『官報』に掲載される)
    • 基本的には規則以上と同様だが、日本法令検索では一部が検索できず、e-Gov法令検索に収録されないため注意が必要。
  • 訓令(『官報』に掲載されないもの)

主な検索ツールの紹介

日本の法令を主にインターネット上でさがすための資料をご案内しています。

  • 日本法令索引 [国立国会図書館]
    法令の沿革情報を収録、制定・改廃経過を一覧できるデータベース。 リンクによって制定時条文、現行条文、国会の審議経過も確認できます。
    収録範囲:明治19年2月公文式施行以降の省令以上の法令。告示・訓令については平成16年8月以降。大政奉還から公文式公布までの索引は日本法令索引[明治前期編]
  • 官報』[国立印刷局]
    以下の検索ツールで閲覧できます。それぞれ収録範囲が異なるため、公布日によって使い分けが必要です。

    • インターネット版 官報 [国立印刷局]
      平成15年7月15日以降の法律、政令等の官報情報と、平成28年4月1日以降の政府調達の官報情報、直近30日分の官報情報(本紙、号外、政府調達等)を閲覧可能。検索不可。
    • 官報情報検索サービス [国立印刷局]【学内限定】
      昭和22年5月3日~当日発行分までの官報(本紙、号外、政府調達公告版、資料版、目録)をインターネット上で全文検索できるサービス。
    • 国立国会図書館デジタルコレクション『官報』 [国立国会図書館]
      明治16年7月2日から昭和27年4月30日までの官報の画像の閲覧、目次項目からのキーワード検索が可能。全文検索不可。
    • OFFICIAL GAZETTE; ENGLISH EDITION(英文官報) [国立国会図書館]
      1946年4月4日から1952年4月28日までの間のみ発行された同紙のデータがインターネット公開されています。
    • 法令全書 [国立印刷局]
      官報に載った法令(告示以上)を、種別ごとにまとめて編集した月次刊行物。
      収録範囲:慶応3年10月以降の法令。『官報』創刊前(慶應3年~明治16年)の制定法令を参照できます。明治年間の法令全書は国立国会図書館デジタルコレクションで公開。
  • e-Gov法令検索 [総務省]
    現行法令の条文を収録したデータベース。法令の題名中の用語、五十音、事項別分類、法令番号で検索することができます。
    収録範囲:憲法、法律、政令、勅令、府省令、行政機関の規則
  • 衆議院 制定法律 [衆議院]
    第1回国会(昭和22年)以降に成立した法律の本文情報を掲載しているサイト。国会回次ごとに調べることができます。
  • D1-Law.com [第一法規]【学内限定】
    憲法-告示まで約35,000件の法令及びそれらの改正情報を収録。有効時点を指定して検索できるため、過去時点での法令の本文を入手したい際に活用できます。
    収録範囲:一部の法令は平成13年1月6日以降の制定・全改正内容、条約・告示は平成16年8月1日以降の全改正内容、平成13年1月6日以降の全廃止法令を収録(2017年12月時点)。最新の収録範囲は、データベースの更新情報をご確認ください。
    ※データベースへの接続ができない場合は電子リソースへのアクセスについてをご確認ください。
  • Westlaw Japan「法令」 [Thomson Reuters]【学内限定】
    法令(改正とけこまし文)、改正法令、法律案、パブリックコメントを収録。新旧対照表、下位法令なども含め包括的に法令を検索したい場合や、より詳細な検索機能を利用したい際に便利です。
    ※データベースへの接続ができない場合は電子リソースへのアクセスについてをご確認ください。
  • 六法・主題別法令集
    六法は主要法令を収録した法令集。大型六法、小型六法、判例六法等、様々なものが発行されています。主題別法令集は特定分野の関連法令を掲載した法令集で、関連する通達・通知なども収録しています。出版物には資料の現在日からのタイムラグがあるため、知りたい時点の前後の改正を確認し、適宜『官報』等と併読する必要があります。

    • 六法全書』[有斐閣]
      毎年3月刊行、1月1日時点の法令を収録する。過去時点の法令を調べる際に有用。
  • リサーチナビ [国立国会図書館]
    調べたいテーマごとの調査方法を紹介したサイト。政治・法律・行政に関するページはこちらから。また目次データベースでは、法令集等の目次を検索することができますので、検索窓に訓令、通達・通知名を入力して検索すると、それらが目次になっている資料を調べることができます。

法令を解釈するためには

条文だけを読んで内容を理解するのは難しいことがあります。そのような際に、解釈を助ける資料として下記のものがあげられます。

  • コンメンタール(逐条解説書)
    法令を一条ごとに、その内容や意義、要件や立法事実、学説などを体系的に解説した資料。特に初学者の方は条文とあわせてコンメンタールを併読すると理解が深まります。関連する判例や参考文献も掲載されているため、条文から判例を探したい際や参考文献を探している際にも活用できます。様々なタイトル(逐条、注釈、条解、等)で発行されているため、OPACで蔵書を検索する際には検索語に注意する必要があります。

  • 法令解説資料
    条文だけでなく法令全体を概説する資料。新規法令の趣旨や制度の仕組み、また改正の内容などを把握したい際に利用します。コンメンタールと比べて、改正についての情報が早いことが特徴です。

  • 国会会議録
    法律の場合は、国会で発議議員からなされた趣旨説明を会議録から読むことができます。法令の制定趣旨や改定理由、審議経過を知りたい際に活用できます。

    • 国会会議録検索システム [国立国会図書館]
      第1回国会(昭和22年5月)からの国会会議録情報を、期間、発言者、会議(衆・参・両院)、任意の検索語を指定して検索できます。前述の日本法令索引でも、検索結果の「審議経過」リンクからこの会議録を確認することが可能です。
    • 帝国議会会議録 [国立国会図書館]
      帝国議会の会議録情報を検索できます。

本稿参考資料

最終更新日:2023/11/07

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