研究データ(論文の根拠データ)をDOI付きでKURENAIに公開する
論文投稿の際、論文の根拠データ(研究データ)の登録・公開場所に困ったことはありませんか? →「KURENAI」には論文の根拠データ(研究データ)も登録・公開することができます。
京都大学学術情報リポジトリ「KURENAI」は、京都大学の構成員が本学において作成された研究・教育活動の成果物を登録できる機関リポジトリです。
KURENAIに研究データ(論文の根拠データ)を公開するメリット
- 研究データ(論文根拠データ)にDOIを付与することができます。DOIを付与することで引用されやすくなり、研究成果の可視性向上が期待できます。
- 近年、学術ジャーナルの投稿規定や執筆要領で、論文の根拠データの公開が求められることが多くなってきています。その際、KURENAIを論文根拠データの登録・公開場所として利用していただくことが可能です。論文の根拠データを先にKURENAI登録・公開しておき、そのDOIを執筆論文に引用して論文投稿することが可能になります(=データファーストなオープンアクセス(OA)研究サイクル)。
- データファーストなOA研究サイクル手順は次のとおりです。実践されている情報学研究科・梅野健教授の研究データと論文で実践例をご紹介します。
- (1)研究者は論文根拠データを先にKURENAIに登録・公開
(2)図書館側でDOIを付与
KURENAIの研究データ:https://doi.org/10.57723/276374
(3)研究者はDOIを論文に引用して論文執筆・投稿
出版社サイトの論文:https://doi.org/10.1038/s41598-023-42745-3
(4)論文が出版されたらKURENAIの研究データから論文にリンク
(5)論文原稿ファイルもKURENAIに登録し公開
KURENAIの論文原稿:http://hdl.handle.net/2433/285297 - 研究者の方からも「研究データにDOIを付与でき、データ自体は大学(KURENAI)で保持できることはとても良いですね」との声をいただいています。
- また、KURENAIでは研究データのみでの公開も受け付けています。研究過程で得られた、作成したデータセットは別の研究課題・研究者にも利活用可能かもしれません。二次利用可能な公開用のデータセットを作成されている場合は、データ駆動型研究、オープンサイエンスに繋げるオープンデータの公開場所としてKURENAIをご活用ください。
- KURENAIに研究データ(論文の根拠データ)の登録を希望する場合は、以下の手引きに沿って登録申請をしてください。
概要
- KURENAIには、誰にでも無料で公開可能なもののみ、登録できます。パスワード等を設定して限られた利用者のみに利用を限定することや、利用時に料金を徴収することはできません。
- 一定期間、公開を遅らせる(公開日を指定する)ことができます。期間は任意で設定できます。
- 「論文の根拠となる研究データ」を登録することができます。それ以外の研究データについては、下記の問い合わせ先までご相談ください。
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DOIを無料で付与することができます。付与をご希望の場合は、次の2種類から選択してください。
- DOI(Digital Object Identifier):学術コンテンツの電子データに付与される国際的な識別子です。“https://doi.org/” をDOI文字列の前に置くことで、電子データが存在するURLに変換されます。これにより、①グローバルに一意な識別子としての役割をはたし、かつ②恒久的なアクセスを保証する(リンク切れを防ぐ)ことができます。
- JaLC DOI(日本で唯一のDOI登録機関であるJapan Link Center (JaLC)によるDOI)
- DataCite
DOI(研究データに特化した国際的なDOI登録機関であるDataCiteによるDOI)
DataCite DOIを選択すると、DataCiteに登録されたすべてのメタデータ*がCC0として取り扱われます(研究データ本体がCC0として取り扱われるわけではありません)。
*メタデータ:ある対象についての情報のことで、ここではKURENAIに登録する研究データのタイトルや作成者といった情報を記述したデータを指します。
- データの容量が大きすぎると登録ができない場合があります。合計で5GB以上になる場合は、申請前に問い合わせ先までご相談ください。
- 紀要や論文など、研究データ以外のコンテンツをKURENAIに公開する場合は、異なる手続きが必要です。詳細は論文をオープンアクセスにするにはをご覧ください。
- 国内の研究成果を集めたプラットフォームであるCiNii Research(国立情報学研究所)や、国際的に利用されているプラットフォームOpenAIREでも検索対象となり、国内外に研究成果を発信できます。
- KURENAIはCoreTrustSealによる認証を受けていません(現在検討中)。研究助成機関や論文投稿先の要件として認証が求められている場合はご留意ください。
CoreTrustSealについては「公開支援サービス > データリポジトリの選び方」をご覧ください。
申請手順
研究データ申請書類一式をご準備の上、ページ下部の申請・問い合わせ先にメールでご申請ください。(現在、より簡便にKURENAI登録・公開申請ができるように、KURENAI公開支援システムを改修中です。改修が終わりましたら、査読のために査読者とのみ論文根拠データを共有できる機能も提供開始する予定です。)
※研究データ申請書類一式(内訳) 研究データ公開前チェックフロー(pdf) / メタデータ入力用フォーム(xlsx) / リポジトリ登録書(docx)
①公開前チェック
「研究データ公開前チェックフロー」で、公開に問題がないかどうかご確認ください。特に個人情報保護の観点は十分にご留意ください。
②データファイルの準備
- ファイル名は、全角文字は使わず、半角英数字(及びハイフン、アンダーバーなど一部の半角記号)のみ使うことを推奨します。全角文字を使うと、データの受け渡しの際にファイル名が文字化けする可能性があります。
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ファイルのフォーマットに特に制限はありませんが、一般的に下記のようなフォーマットが推奨されています。
- 特定の商用ソフトウェアに依存しないフォーマット
- 仕様が国際標準化されているフォーマット
- 広く普及しているフォーマット
- ZIPファイルなど、複数のファイルをまとめて圧縮したファイルも登録できます。
- 1コンテンツ(メタデータを付与する単位。1コンテンツごとにURLが付く)に複数のファイルを登録することもできます。登録できるファイル数の制限はありません。
- DOIを付与したい場合は、1コンテンツにつき1DOIを付与できる、ということに留意して、登録の粒度(どの範囲を1コンテンツとするか)をご検討ください。
- データファイルの中身や構成を説明する"READMEファイル"を用意することを推奨します。
③メタデータの作成
- 「メタデータ入力用フォーム」にメタデータを記入してください。
- 「二次利用の条件」には、利用者がどのように使ってよいかを明確に示すため、必ずご選択ください。デフォルト値は「CC-BY (表示)」としています。CCライセンスを適用することで、様々な検索サービスにメタデータを流通させ、研究データの発見可能性が高まることが期待できます。詳しくはクリエイティブ・コモンズ・ジャパンのページをご覧ください。
- 研究データ利活用協議会研究データライセンス小委員会が公開している『研究データの公開・利用条件指定ガイドライン』のQ5をご参照ください。
④図書館に申請
「リポジトリ登録書」に記入の上、「リポジトリ登録書」「メタデータ入力用フォーム」、データファイル一式を附属図書館研究支援第三掛までご送付ください。データファイルが大容量になる場合、受け渡しは各種ストレージをご利用いただいてもかまいません。
よくある質問
Q1. JaLC DOIとDataCite DOIの違いを教えてください。
A1. JaLC DOIとDataCite
DOIは機能に違いはありませんが、発行機関と連携している外部の研究データ検索サービスに違いがあります。DataCite
DOIは研究データに特化したDOIのため、Data Citation
IndexやMendeley Data等の収録対象となっています。
Q2.
論文が公開される前に研究データを登録できますか。論文がアクセプトされる条件として、事前に研究データをリポジトリで登録・公開する必要があります。
A2.
登録できます。論文が公開されましたら論文のURL(DOI)をご連絡ください。KURENAIに登録した研究データの関連情報に論文URL(DOI)を追加し、研究データのページから論文を参照できるようリンクをはります。
Q3.
以前に京都大学に所属していました。研究データをKURENAIに登録できますか。
A3.
京都大学に所属していた頃の成果であれば登録できます。学外者用のリポジトリ登録書(docx)を使用し、申請手順に沿ってお申込みください。
申請・問い合わせ先
附属図書館研究支援課研究支援第三掛
rs660 [at]
mail2.adm.kyoto-u.ac.jp
(内線)本部16-2659