尾池総長の「地震」著作2点をリポジトリで新たに公開!
投稿日時:2007-07-17
(5317 ヒット)
この度、尾池和夫・京都大学総長の「地震」に関する著作2点を京都大学学術情報リポジトリに登録し、公開しました。
■尾池和夫. 地震列島にしひがし. 日本損害保険協会, 1989.
http://hdl.handle.net/2433/44054
「はしがき」より
地震や火山の噴火は、地殻の活動によって起こりますが、日本列島とその周辺には、地球全体の地殻活動のエネルギーの1/10が集中しているといわれます。一方、日本列島は地球全体の陸地の1/400ですから、平均の40倍のエネルギーが日本列島とその周辺で放出されていることになります。地震国日本、火山国日本といわれるように、地震や噴火が多いのは当然のことといえましよう。 地震という自然現象は、残念ながら今のところ人間の力で止めたり小さくしたりすることはできません。しかしそれによってもたらされる災害は、私たちの努力で軽減することができます。そのためにまず、地震に関する正しい知識が必要ですが、一口に地震といっても、その性質は北海道から沖縄まで一様というわけではありません。地域ごとに様々な特徴を示します。そのような地域による特徴をわきまえた上で、正しく地震に備えようというのが、本書発行のねらいです。■尾池和夫. 中国の地震予知. 日本放送協会, 1978. http://hdl.handle.net/2433/44055 「はじめに」より
(前略) 古来、中国には大地震は政治に対する天の警告である、という考えがあって、地震についての記載が非常に多く残されている。これらの資料はよく整理されていて、今、地震予報のための基礎となっている。現在の中国でも、大地震は政治を動かし、農業や工業に重大な影響を与えている。 私は、一九七四年七月、中国科学技術協会の招きで、東京大学の浅田敏教授、名古屋大学の志知竜一助教授とともに、外国人の専門家としては、おそらく初めて、中国の地震予報の仕事を直接見ることができた。その仕事の現場で、詳しく資料を見、実際に地震予報を出していることを知った時、私たち三人は、目を見張る思いだった。一九七五年二月、日本の地震学会は、海城地震の予報と予防に成功した中国の専門家たちを招き、その成果を講演してもらった。その時、三週間の日程のほとんどを、顧功叙先生を団長とする六名の中国地震考察団のメンバーと、私は寝食をともにしながら世話役としてつきそい、いろいろのことについて話し合った。一九七七年五月一六日から三週間、日本の地震学会は、中国科学院の招きを受けて、東北大学の鈴木次郎教授を団長とする八人の代表団を中国に派遣した。私は、その団員の一人として参加し、大陸では現在もっとも地殻活動の激しい雲南省へ視察旅行をすることができた。 (中略) これらの日中の地震関係者の交流を通じて、得たものは大層多く、その内容は貴重である。中国の専門家たちによって整理されたデータは、日本での地震予知・予報・予防の仕事にきわめて重要な情報を提供してくれる。彼らの大地震予知・予報・予防の経験は、これからそれを体験しょうとする日本にとって重要である。この本では、中国での成果と経験を、著者が自分自身の目でデータを確認し、直接話を聞き、あるいは現場を見たことを中心にまとめ、わかりやすく解説して、日本での地震予知と予防の仕事に役立てたいと思う。 地震の専門家にも、また一般の読者にも、大地震予報の可能性とその効果を、また地震予報にとって、専門家と大衆と行政組織との結びつきがいかにたいせつであるかということを、実例を通じて理解していただきたいと思っている。各出版社および写真提供各社の許諾を得て、全ページを電子化・公開することができました。 連日のように各地で大きな地震が発生し、被災地域からのニュースに胸が痛むこのごろですが、地震活動について関心を高め、防災への備えを行なうためにも、ぜひご一読ください。 [附属図書館電子情報掛]
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