京大リポジトリの収録論文数が2万件を突破!

 投稿日時:2008-07-07 (6021 ヒット)

2008年7月7日、京都大学の研究成果を収録・発信している京都大学学術情報リポジトリ(KURENAI)の収録論文数が20,000件を突破しました。 2万件目は、現・工学研究科都市環境工学専攻(助教)の出村嘉史先生の博士学位論文、 ■出村嘉史. 京都東山山辺における近代以降の景観変容に関する研究. 2003. http://hdl.handle.net/2433/59322 となりました。 2万件目を記念して、出村嘉史先生にインタビューをお願いしました。 ○出村嘉史先生 - 京都大学工学研究科都市環境工学専攻(景域環境計画学分野) a1: 今回の博士論文はどのような内容でしょうか? また、研究の進展によってどのようなことを明らかにしようとされているのでしょうか?

この論文は,都市周辺の景観において,基礎となる空間の構成について論じたものです.日本における都市の市街地は,近代以降に急速に拡大しました.この混乱の時期に多くの地域では,それまでに培われた空間の構造が壊れてしまったのですが,京都の山辺では,自然と市街地とが一体化した良質な景域が形成された地域が見出されます.こういった特殊な地域は,劇的な開発の中で,如何にしてこの環境を獲得し,生かしてきたのかを,その近世から近代にかけての形成過程と空間の構造から把握したいと考えました.そして,環境づくりのために布石となる要素に着目し,測量とデザイン調査をもとにして図面や地形表現モデルを作成しながら,複合的な景観領域(景域)が成立する構成の概要を探りました. 私の現在取り組んでいる景域形成史の研究は,この延長上にあります.その目指すところは,人にとって質の高い生活(コストがかかることと同義ではありません)を実現するための,空間基盤のあり方やそれを支えるアイデアを示すことです.勿論,解が一通りに決まるはずのない問題です.地域や時代ごとに異なる解があるはずです.そこには,その場所で生きた人々の記憶があり,特有のものの見方があります.けれども,個々の特性を持つ地域が,他地域をヒントにすることは可能です.質の高い空間を実現した事例を支えている,基盤となる考え方と,そこから手段が生み出される過程を多く抽出することが重要であると考えています.

*なお、出村先生の博士論文の内容については、2004年1月23日の博士学位授与式にて、尾池総長が詳しく紹介されていますので、こちらも合わせてご覧ください。 https://www.kyoto-u.ac.jp/static/ja/profile/intro/president/archive/s_haka.htm a2: 博士論文を公開することについて抵抗はありませんでしたか? また、公開することによりどのようなメリットや意義があるとお考えですか?

今回の公開に対しては,ほとんど抵抗なく承諾しました.しかしながら,博士論文を公開することは,海外でもそれほど多く行われていることではないと認識しています.普通,厳重に保管されていて,該当大学の図書館から持ち出すことは,ほぼ出来ません.しかしながら,博士論文は世界に提示すべき成果であるはずだと思います.多くの論文が電子化されて,非常に手軽に閲覧できる状況になっている現在において,博士論文はいまだ重い扉で閉ざされているように思います.これらの成果へもっと容易にアクセスできるならば,他で苦労して到達した成果の存在に気付かないまま,同じことを繰り返すことはなくなるでしょう.その点で,今回の公開の方法が,首尾よくシステム化されて,主要な検索方法となるように,期待しています.

出村先生、お忙しい中、インタビューに応じていただき、ありがとうございました。出村先生がおっしゃるように「博士論文は世界に提示すべき成果である」と考え、「重い扉」を開けるべく、京大リポジトリでは京大が育んだ教育・研究の成果である博士学位論文の収集・公開に力を入れて参ります。 □学位論文 - 京都大学学術情報リポジトリ https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/48884   すでに学位を取得されておられる方で、学位論文の電子化・公開を望まれる/許諾をいただける方は、ぜひ附属図書館電子情報掛までご連絡ください。 https://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/kurir/contact.html また、工学研究科では、学位申請時に許諾書を提出していただく仕組みができており、登録を希望される方の博士学位論文の電子化・公開がスムーズにおこなわれています。この仕組みを各研究科に広げていきたいと考えていますので、各研究科のみなさんのご協力をよろしくお願いいたします。 ●学位論文のリポジトリ登録申請・許諾手続きの制度化について https://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/kurir/deposit.html 「京大の英知をOPENに!」 京都大学学術情報リポジトリ [附属図書館電子情報掛]

 

京大リポジトリで『実践哲学研究』を公開

 投稿日時:2008-07-04 (6701 ヒット)
京都大学学術情報リポジトリ(KURENAI)に、文学研究科倫理学研究室を中心とした実践哲学研究会の学術雑誌『実践哲学研究』を登録し、公開しました。 ■実践哲学研究 (ISSN: 0287-6582) https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bulletin/jk ○京都大学文学研究科倫理学研究室 http://www.ethics.bun.kyoto-u.ac.jp/   「京大の英知をOPENに!」 京都大学学術情報リポジトリ [附属図書館電子情報掛]
 

Blackwell-Synergyの電子ジャーナルはWiley InterScienceに移行しました

 投稿日時:2008-07-02 (6421 ヒット)
7月より、これまで"Blackwell-Synergy"で提供されていた電子ジャーナルは、Wiley-Blackwell社のEJプラットフォーム"Wiley InterScience"に移行しました。 これにより、Wiley InterScienceでは、約1400タイトルの学術雑誌、300万件以上の論文が利用できるようになりましたので、どうぞご利用ください。 ■Wiley Interscience - http://www3.interscience.wiley.com/ - 学内からのみアクセス可能 - 移行作業のためアクセス不可能になるなど、しばらく不安定な状態が続いています(7/2) 詳しくは、Wiley-Blackwell社のお知らせをご覧ください。 ●Integration of Blackwell Synergy and Wiley InterScience journal content http://www3.interscience.wiley.com/aboutus/wiley-blackwell/transition_end-users.html また、これに伴い、Blackwell-Synergyは閉鎖されました。これまでBlackwell-Synergyで提供してきた雑誌へのリンク(URL)は、Wiley Interscience上の同タイトルへリダイレクトされますので、そのままお使いください。 電子ジャーナルリストでも「Blackwell-Synergy」となっているリンクをクリックすると、Wiley InterScienceの同タイトルに飛ぶようになっています。 ○京都大学で利用できる電子ジャーナル https://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/gakunaiej.html [附属図書館電子情報掛]
 

経済研究所書庫継続閉鎖のお知らせ

 投稿日時:2008-07-02 (3276 ヒット)
 先月、書庫のダムウエイター(エレベータ)の壁に微量ですがアスベストが含まれていることが分かり、6月20日(金)に専門業者の検査を受けた結果、「書庫への入庫を禁止する」ということになりました。  このため、7月からも書庫は閉鎖となります。  7月9日(水)のアスベスト問題専門部会で安全に書庫使用が出来るように対応策について検討されますので、対応策が確定しましたらお知らせいたします。  引き続き、書庫にある図書の貸出が不可となります。(返却は受け付けます。)  ただし、閲覧室の利用(新着図書・雑誌の閲覧・貸出、パソコンの検索、電子ジャーナル等)は可能ですのでどうぞご利用ください。  利用者の方々には大変ご不便をおかけしますがご協力の程、よろしくお願いします。 [経済研究所図書室]
 

【講習会】論文・レポートを書くための!●文献収集講座●7/2開催!

 投稿日時:2008-07-01 (3195 ヒット)
論文やレポートを書くために必要な文献の探し方をお教えします。  ●●文献収集講座●●  日時:7月 2日(水) 16:30〜17:30  場所:附属図書館3階AVホール  予約不要   卒業論文の参考資料をそろそろ集めないと・・・   説得力のあるレポートが書きたい!   インターネットでネタ探し。ググったらゴミばかり!? こんなお悩みにお答えします。 これから卒業論文やレポートに取り組むあなたのための文献収集講座。 京都大学の600万冊の資料とインターネット情報の使いこなし方の基礎を身につけよう! 【附属図書館参考調査担当】