京都大学所蔵の「建内記」が重要文化財に指定されます
京都大学附属図書館および総合博物館が所蔵する古記録「建内記(けんないき)」(自筆本)が、2026年3月26日の文化審議会の答申に基づき、新たに国の重要文化財(国宝・重要文化財(美術工芸品))に指定されることになりました。今後、官報での告示を経て正式に指定される見込みです。
「建内記」は室町時代の政治・社会の情勢を伝える極めて貴重な史料です。研究者による「菊亭文庫」の調査成果が、このたびの重要文化財指定へと結実しました。
「建内記」は、室町時代の貴族・内大臣の万里小路時房(までのこうじ ときふさ)の日記です。「建内記」は「けんだいき」とも読み、時房の法号「建聖院」と彼の極官「内大臣」に由来します。現存するのは1414(応永21)年から1455(康正元)年のうちの17年分です。
「建内記」は、当時の朝廷・幕府政治の実像や土一揆の発生などを記録した重要史料として知られています。今回重要文化財指定の対象となったのは、附属図書館が所蔵する自筆本17点(菊亭文庫)と総合博物館が所蔵する2点(元文学部国史研究室蔵)および関連史料である附(つけたり)1点(菊亭文庫)です。
「建内記」が含まれる「菊亭文庫」とは、西園寺家の一門である菊亭家(今出川家)に伝来した史料群で、大正時代に京都大学へ永久寄託されました。2020年度に新たな関係資料とともに改めて菊亭家から京都大学に寄贈されたことを契機に、翌年から上島享教授、大槻信教授(文学研究科)を中心に、学内外の研究者や大学院生、図書館職員等が協働して「菊亭文庫」の網羅的な調査を行っています。「菊亭文庫」の全体像を明らかにすることを目的とした調査の成果が、このたびの重要文化財指定へとつながりました。
京都大学図書館機構では、所蔵する貴重な古典籍資料をデジタル化し、研究者のみならず市民の皆さんや世界中の方にも見ていただけるよう、オンラインで公開する取り組みを進めています。今回重要文化財に指定される「建内記」も、新たに「京都大学貴重資料デジタルアーカイブ」から公開を始めました。
- 「建内記」:https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00031827/explanation/kennaiki
- 京都大学貴重資料デジタルアーカイブ:https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/
透漆塗桐倹鈍箱(すきうるしぬりきりけんどんばこ)に入った「建内記」[/caption][caption id="attachment_1407457" align="alignnone" width="300"]
「建内記」の巻頭部分[/caption]また、このたびの重要文化財指定を記念し、2026年9月に、京都大学総合博物館を会場に「建内記」のお披露目展示および講演会を開催する予定です。およそ600年の歴史を受け継いだ実際の自筆本を間近で閲覧できる貴重な機会となります。開催についての詳細は当サイトにてお知らせします。
- 附属図書館長のコメント
本学で長年にわたり大切に保管してきた「建内記」が、その学術的価値を認められて重要文化財に指定されることを大変嬉しく思います。貴重な文書・典籍を寄贈してくださった菊亭家の方々、また「菊亭文庫」を調査してきた学内外の研究者・大学院生の皆さんに篤く御礼申し上げます。京都大学は今後もこの貴重な文化遺産を後世に伝え、その価値を発信してまいります。
京都大学附属図書館長 永盛克也
- 報道発表資料(PDF)
【図書館機構】京都大学貴重資料デジタルアーカイブ : 平松文庫、菊亭文庫、中院文庫などから400タイトルを電子化・公開しました
附属図書館が所蔵する平松文庫、菊亭文庫、中院文庫などから、400タイトルを電子化・公開しました。
今回公開した400タイトルの電子化は、国文学研究資料館が実施する「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」(略称:歴史的典籍NW事業)に拠点大学として参加して実施しました。
2026年3月25日現在 、京都大学貴重資料デジタルアーカイブの公開件数は、27,190タイトル、2,241,092画像となりました。
【附属図書館:お知らせ】附属図書館研究開発室セミナー「スイスにおける研究データ保存管理:経験とイニシアチブ」を開催します(4/7)
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【問合せ先】
附属図書館研究開発室
【図書館機構】京都大学貴重資料デジタルアーカイブ : 清家文庫、菊亭文庫、近衛文庫などから437タイトルを電子化・公開しました
附属図書館が所蔵する清家文庫、菊亭文庫、近衛文庫などから、437タイトルを電子化・公開しました。
今回公開した資料のうち436タイトルの電子化は、国文学研究資料館が実施する「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」(略称:歴史的典籍NW事業)に拠点大学として参加して実施しました。
2026年3月12日現在 、京都大学貴重資料デジタルアーカイブの公開件数は、26,788タイトル、2,214,023画像となりました。
【図書館機構】京都大学貴重資料デジタルアーカイブ : 仏典・仏教関係コレクション「蔵経書院文庫」135タイトルをデジタル化・公開しました
附属図書館が所蔵する蔵経書院文庫は、京都蔵経書院が寺院あるいは僧堂の宝庫または筐底より採集した仏典とその類縁典籍の集積です。このうち、「蔵経書院本」135タイトルを新たにデジタル化・公開しました。
2026年3月5日現在、京都大学貴重資料デジタルアーカイブの公開件数は、26,042タイトル、2,183,023画像となりました。
※今回公開した資料の電子化は、 科学研究費助成事業研究成果公開促進費(データベース)(JP25HP8001)の助成を受けています。





