大型コレクション >

ワイマール共和国時代の文献コレクション (ワイマール キョウワコク ジダイ ノ ブンケン コレクション)
Die Weimarer Republik im Spiegel der Literatur

総数1,566冊を数えるこのコレクションは、「文学に反映したワイマル共和国」というドイツ語の名称のとおり、主には、ワイマル共和国時代の代表的な作家・詩人の作品や、雑誌を集めたもので、その多くが初版本であります。

比較的多数の著作が収録されている作家の名前だけをいまABC順に列挙してみますと、次のような人々が挙げられます。H. Ball, M. Barthel, J. R. Becher, G. Benn, B. v. Brentano, B. Brecht, A. D{blin, H. Fallada, L. Feuchtwanger, B. Frank, L. Frank, G. Grosz, W. Hasenclever, G. Hauptmann, H. Hesse, A. Holitscher, E. J{nger, H. Johst, G. Kaiser, E. k{stner, E. E. Kisch, Klabund, Th. Lessing, E. Ludwig, H. Mann, Th. Mann, W. Mehring, A. Neumann, R. Neumann, R. Pannwitz, E. Piscator, E. Reger, E. M. Remarque, L. Renn, J. Roth, R. Schickele, A. Schnitzler, E. Toller, B. Traven, K. Tucholsky, J. Wassermann, F. Werfel, C. Zuckmayer, A. Zweig, S. Zweig u. a.

このようなリストからもわかりますが、このコレクションは、まさに「文学に反映したワイマル共和国」というタイトルのとおり、ワイマル共和国時代の、革命的な文学をはじめ、リベラルな文学、ファシズムの文学(ヨースト.ユンガー等)まで巾広く集め、文学だけをみてもさながら時代全体がわかるようなかたちをとっています。この巾の広さという点が、このコレクションの第一の特色であるといってよいと思われます。

そもそも、この時代の文学の原資料は、社会主義的・革命的な文学作品はもとより、リベラルな文学作品の大部分も、ナチスによって徹底的に抹殺されたため、今日ドイツでもほとんど入手不可能になっております。

さらに、巾の広さという点でいえば、このコレクションは、けっして文学に限られていません。ワイマル共和国時代のドイツやオーストリアにいた著名な多くの社会民主主義者、共産主義者、ボルシェヴィスト、ロシアにいたドイツの共産主義者、さらにはワイマル共和国の政治家、哲学、経済学、社会学の分野における指導的な学者さらには自然科学者の著書をもこのコレクションは集めております。先述の作家、詩人、芸術家の第一グループに対して、これを第二グループとみることができます。第二グループの主な人びとの名前を挙げてみますと、次のような人びとがあります。V. Adler, N. Bucharin, F. Ebert, K. Eisner, M. Harden, K. Kautsky, G. Landauer, W. I. Lenin, K. Liebknecht, R. Luxemurg, K. Radek, W. Rathenau, C. Schmitt, A. Schweitzer, K. Einstein, O. Spengler, L. Trotzki, M. Weber, C. Zetkin u. a.

主として文学を研究対象にする研究者にとっても、このような文献は不可欠なものであります。現在、このコレクションは研究者にとって貴重な資料であります。

ワイマール共和国時代の文献コレクション目録, 1983 CAT : Katalog der Weimerer Republik im Spiegel der Literatur, 1983

静脩 : 京都大学附属図書館報 vol. 19 no. 1 (1982.4) p. 5-7

Print